アル添

アル添(あるてん)

 日本酒好きの人に、一定割合で純米原理主義の人が居ます。純米原理主義者とは、単に純米酒が好き、というのはではないなく、日本酒は純米酒しか飲まない、と言ってはばからない人です。いろいろ話をしてみると、醸造アルコールについてほとんどの人が大きく勘違いしている事に気が付きます。

 勘違いの一つの原因は、三倍醸造酒(三増酒)です。この悪いお酒のイメージが強く、悪酔いした経験を重ねます(悪酔いに関しては、本人の飲み過ぎが原因じゃないかと口が裂けても言えませんが)。三増酒は、もろみに醸造アルコールと水を加え、更に糖類や酸味料、アミノ酸等を加えて味調整したもの。文字通り3倍になり、戦後の物不足の時代に開発された製法ですが、現在はそんなお酒が売れない事に加え、法律的にも不可能です。嘘っぱちばかりの某マンガの読み過ぎじゃないのかな?
 醸造アルコールの添加量は特別名称酒(本醸造〜大吟醸など)では原料白米の10%以下、普通酒でも50%以下に制限されています。なので三増酒は日本酒ではなくなります。

 ところで、品評会に出すような日本酒の多くは、実はアル添酒が多いのです。品評会に出す日本酒はYK35のような大吟醸酒ですが、味のバランスを整えるため、また発酵をちょうどよく止めるため、醪に醸造アルコールを添加して酵母の活動を止めるのです。全国新種品評会の入選酒の多くはアル添酒なのです。

 純米酒、アル添酒それぞれに良さがあります。純米酒しか認めない、というのも勝手ですが、もう一度見直す事をおすすめします。

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